近代日本精神医療史研究会

Society for Research on the History of Psychiatry in Modern Japan
開催中 「私宅監置と日本の精神医療史」展 in 岡山
先週、2016年1月23日から岡山で「私宅監置と日本の精神医療史」展がはじまった。
22日は準備、23日・24日はギャラリートークで現場に詰めていた。

移動展示なので、展示場所の形態に合わせて、展示方法も変わる。
今回は、戦前昭和期に建てられたという、純和風の空間である。
不織布のポスターは、部屋の梁に設置されているネジに引っ掛けた。
32枚の写真パネルは、とりあえず畳の上に広げる形で展示した。


(純和風の空間、カイロス2階の「精神資料室」)

23日は、午前にギャラリートーク。
県外から足を運んでくれた人もいた。
地元のテレビ局が、カイロスを運営している「株式会社かいしゃ」の代表者・阪井さんを密着取材しているという。
それで、スタッフが取材にやってきた。
気がつけば当方もインタビューされていたが、なにを聞かれ、なにを話したか、覚えてない。
午後にカイロス主催の「精神医療今昔放談会」。
岡山で長く精神科医療に携わってこられた二人の精神科医、こらーる岡山の山本先生と、万成病院の大森先生を迎えて、昭和35年あたりの精神科治療の状況などについて語り合った。

24日はヒマだった。
とはいえ、展示会の見学を目的にしていない人も2階にやってきては一時を過ごしたりして、人の気配は常にある。

この展示会は、2月14日まで。
この日と、前日の13日にもギャラリートークを予定している。
その間も、展示はそのままに置かれている。
ただし、火曜日と水曜日はお休み。
受付といったものはないが、カイロスの1階には誰かはいるはずである。


(カイロス2階の「精神資料室」入口)
| - | 17:02 | comments(0) | - | pookmark |
プラハの精神病院とコンテンポラリーアート
ドイツの Psychiatrie Verlag が出している"sozialpsychiatrische informationen"という雑誌(年4回発刊)がある。
購読者として、かれこれ20年くらいが経過した。
最新号(46. Jahrgang 2016: Ausgabe 1)の特集は"Kunst und Psychiatrie" [アートと精神医学]である。
珍しく地下鉄の中で、記事の一部を読む時間ができた(積雪で自動車通勤を諦めたため)。

そのなかで、
Roman Buxbaum の "Outsider inside – das Unbehagen mit der Mauer"
という記事が気になった。
チェコのコンテンポラリー・アーティスト Eva Koťátková が、プラハの精神病院(Psychiatrická nemocnice Bohnice)で行った展示とパフォーマンスについて紹介している。

Buxbaum は、昨今のアール・ブリュット(およびアウトサイダー・アート)をめぐる状況に批判的なコメントを述べながら、Koťátková のプロジェクトはこれらのアートとの関わり方にパラダイム転換(Paradigmawechsel)を迫るものではないかと評価している。


Psychiatrická nemocnice Bohnice、広大な敷地(2014年3月撮影)

この精神病院の訪問記は、以前のブログでも紹介したこともあり、Koťátková のプロジェクトに興味が沸いてきた。
また、細々ながらも、精神医学、精神病院、アート、ミュージアム、展示などの複合領域にまたがって研究・実践をしているので、Koťátková をチェックせねばならない、なんて思ったのである。

調べてみると、その展示は(英語では) "The Two-Headed Biographer and the Museum of Notions" というタイトルで、2015年8月8日から同年9月11日に行われたもよう。
"Contenporary Art Daily" というサイトの、2015年9月18日に掲載された "Eva Kotatkova at Bohnice Psychiatric Hospital" という記事に詳しい。

著作権の問題があるだろうから、このページに画像をコピーするのは控えたい。
興味のある方は上記の記事をクリックして内容をみていただきたい。
このなかでおもしろいと思ったのは、2つの動画である。
とくに、アール・ブリュット/アウトサイダー・アートをパロディにしてしまっている部分。
たとえば、孤高のアウトサイダー・アーティストの最高峰(?)的な存在である、Henry Darger の「少女/少年趣味」の世界が演じられている。

この動画は、以下のサイトにもアップされている。
https://vimeo.com/138174506

Henry Darger の世界は、以下の 2) に含まれている。

1) Eva Koťátková, The Two-Headed Biographer and the Museum of Notions (exhibition and performances), 2015
2) Eva Koťátková, The Two-Headed Biographer and the Museum of Notions (live tableaux program), 2015

最後に、ついでながら、プラハのこの精神病院の写真をもう2枚。



Psychiatrická nemocnice Bohnice の正面建物の内部(2014年3月撮影)


Psychiatrická nemocnice Bohnice(2014年3月撮影)

以上。
| フリートーク | 14:29 | comments(0) | - | pookmark |
BJOT (British Journal of Occupational Therapy) への投稿チラシ
OT(作業療法士)でもない私が編集委員(編集委員会の記事は当blogのここを参照)をしている"BJOT(British Journal of Occupational Therapy) "誌の宣伝をひとつ。
以下の画像は、つい最近作成されたこの雑誌への投稿を促すチラシである。
平たく言えば、「投稿すれば、5つのいいことがあるよ」、というものである。
たぶん、アジア地域からの投稿は大歓迎ではないかと思う。
なお、このチラシは http://xfs.jp/DpiHy にアクセスし、出てきたURLをクリックすればダウンロードできる。

| おしらせ | 09:32 | comments(0) | - | pookmark |
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