近代日本精神医療史研究会

Society for Research on the History of Psychiatry in Modern Japan
「私宅監置と日本の精神医療史」展を終えて

2015年6月16日から同20日まで開催された展示会を振り返りたい。

開催前日の6月15日に展示物の搬入を行った。
この日の授業は休講にし、早朝に名古屋の自宅を出て、早稲田へ向かう。
荷物を詰め込んだスーツケースは超ヘビー。
名古屋市営地下鉄と新幹線はよかったが、東京メトロ東西線の早稲田駅の階段が最大の難所だった。
この駅の高田馬場方面ホームで降りると、どんなルートをたどっても、階段を使わないと決して地上には出られない(車椅子用の補助装置はあるが)。

午前10時に会場へ。
会場借用でお世話になっている早稲田大学の加藤茂生先生と、ワセダギャラリーの担当者の方と会う。
簡単な打合せの後、名古屋から持ってきた展示物を加藤先生と二人で壁に貼る作業を開始。
美しく貼るには、それなりの工夫が必要だ。
室内にあった不要な備品を移動したり、スポットライトの角度を調整したり、といった作業もあって、結局、準備作業は2時間半くらいかかった。

夕方には名古屋に戻ったが、加藤先生からメールが来て、その後、ギャラリーの担当者が会場を確認しに行ったところ、「両面テープで壁に貼った一部の写真パネルが落下している」ことが判明。
壁のクロスと両面テープとの相性があまりよくないらしい。
写真パネルに貼るテープの面積を増やして、補強してもらうことにした。


(あれこれの資料から集めた私宅監置関連写真をパネルにして壁に貼った。)

展示会は6月16日からだったが、18日までの3日間は本務大学の授業があってギャラリーには行けない。
その間は、加藤先生ゼミの学生・院生に展示会の「店番」をお願いした。
律儀なことに、加藤先生はその日の状況を毎日メールで知らせてくれた。
遠方にいてなにもできない身には嬉しかった。


(ワセダギャラリーは大隈講堂のすぐ近くにある。)


(ギャラリーは、早稲田大学小野梓記念館B1の吹き抜けの空間に面している。)

授業がない6月19日と20日は、ギャラリーに行くことになっていた。
両日とも「ギャラリートーク」の時間帯を設定した。
最初は、見学者から展示に関する質問などがあれば、その場で答えるという、オンデマンド方式を考えていた。


(6月20日のギャラリーの様子。)

しかし、遠方から来訪する予定の人から、「説明の時間が決まっていたら、列車の時間を決めやすい」という意見もあり、急遽、1日3回のギャラリートークを実施することにした。
11時半、13時半、15時半、でどうでしょう、とその人に問いかえすと、「11時半くらいなら到着できますね」ということで、11時半を最初の回にして、これらの時間帯に決定。

実際、このような内容の展示については、ギャラリートークは効果的だと感じた。
パネルに書かれた内容はごく限られているし、会場で配ったパンフレット(パネルの内容をさらに詳しく説明した冊子)を読むのは時間がかかる。
見学者に向かって、パネルの作成者本人が説明するのが一番いい。


(6月20日の11時半スタートのギャラリートーク。)

ギャラリートークをめざして集まってくれた見学者はさまざまだった。
いわゆる精神医療・精神保健福祉の専門家もお見受けしたが、多くはそれ以外の人たちだった。
私としては、学会や研究会や大学の授業の聴衆とは違う、しかも、ギャラリートークごとに異なる人たちのまえで、結構緊張していた。
ギャラリートークが終わった後も、そうした非・専門家の多くの人たちと個人的に話ができたのは幸いだった。


(6月20日の11時半スタートのギャラリートーク。)

記帳ノートに残された名前を数えると200人余りで、地味な内容の展示にしては予想以上に多い数と認識している。

最後に、わざわざ会場に足を運んでいただいた見学者の方々にこの場をかりて感謝すると同時に、早稲田大学の加藤茂生先生ならびに加藤ゼミの学生の皆さんには、改めてお礼申し上げます。

| - | 12:37 | comments(0) | - | pookmark |
「私宅監置と日本の精神医療史」展のお知らせ

以前に開催予告をいたしましたが、あらためて「私宅監置と日本の精神医療史」展のお知らせをいたします。

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精神医療ミュージアム移動展示プロジェクト 2
“Traveling Museum of Psychiatry,” Project 2

私宅監置と日本の精神医療史
Shitaku kanchi (the confinement of mental patients at home)
and the history of psychiatry in Japan

会  期   2015年6月16日(火)〜20日(土) 10:00〜18:00
       (ただし、最終日(6月20日)は、17:00まで)
会  場   ワセダギャラリー 
       (早稲田大学小野梓記念館 (27号館) 内)

アクセス  地下鉄東京メトロ東西線・早稲田駅下車 徒歩5分

ギャラリートーク  
       6月19日(金)および20日(土)には、担当者が展示の解説をします。
       開始時間: 11:30, 13:30, 15:30 (予定) 
 
主  催  愛知県立大学教育福祉学部 橋本明研究室
協  力  早稲田大学人間科学学術院 加藤茂生研究室

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なお、このサイト(http://xfs.jp/3RiqS)から、以下のチラシ(pdfファイル)をダウンロードできます(画面に現れるURLをクリックして進んでください)。



| - | 20:26 | comments(0) | - | pookmark |
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