近代日本精神医療史研究会

Society for Research on the History of Psychiatry in Modern Japan
第19回 日本精神医学史学会 開催のお知らせ
大会長:古茶大樹 (慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)
会期:2015 年11 月7 日(土)、8 日(日)
会場:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー
会場http://www.shinjukuparktower.com/access/

大会テーマ
 「精神医学史研究の新たな展開」

特別講演
 松下正明 (東京大学名誉教授)
 「ウェルニッケとその弟子たち ― 多彩な精神医学的認識の源流」

会長講演

 古茶大樹 「精神医学における疾患とは何か」

シンポジウム

 「聖なるものdas Heilige」(11 月7 日午後)
  濱田秀伯 (慶應大) 「聖なるものの精神病理」(基調講演)
  松田真理子 (京都文教大・臨床心理学) 「ヌミノーゼをめぐって」(仮題)
  丸山桂介 (音楽学・バッハ研究) 「JS バッハ ―聖なる響きの創造―」(仮題)
  酒井 健 (法政大・哲学) 「ゴシックとは何か」(仮題)


さらなる詳細は、学会のホームページ(http://jshp.blog20.fc2.com/#entry116)を参照。
| おしらせ | 08:53 | comments(0) | - | pookmark |
開催予告 「私宅監置と日本の精神医療史」展 in Tokyo

2014年11月にソウルで開催した「私宅監置と日本の精神医療史」展の第2弾を、来る6月に東京のワセダギャラリーで行うことになりました。
小さな展示会ですが、第1回目の展示パネルを更新し、より充実した内容にすべく鋭意準備中です。お誘い合わせのうえ、是非お越しください。
また、この場を借りて、会場確保に尽力いただいている早稲田大学人間科学学術院の加藤茂生先生にはお礼申し上げます。

なお、開催の要項は以下のとおりです。


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精神医療ミュージアム移動展示プロジェクト2
私宅監置と日本の精神医療史


日時
2015年6月16日(火)〜20日(土) 10:00〜18:00
ただし、最終日(6月20日)は、17:00まで

会場
ワセダギャラリー 早稲田大学小野梓記念館(27号館)内

アクセス
地下鉄東京メトロ東西線・早稲田駅下車 徒歩5分

ギャラリートーク
6月19日(金)および20日(土)には、担当者が展示の解説をする予定です。

入場は無料です。

問合せ先
愛知県立大学教育福祉学部 橋本明
aha@ews.aichi-pu.ac.jp


以上

| - | 16:53 | comments(0) | - | pookmark |
(続)ゲール(Geel)のお祭り2015年

今日は日本人のTさん、Kさん、フランス人のFさんと一緒に、4人でゲールのお祭り見物。
聖ディンプナのオメガング(宗教行列)は、あいにく雨模様のなかで行われた。
正確に言えば、オメガングが行われた午後2時半から午後5時までの間だけ断続的に雨が降った。
行列の参加者には、つらいコンディションだったに違いない。


(聖ディンプナ伝説の一場面。中央に聖ディンプナ役の人が見える。)


(これも聖ディンプナ伝説の一場面。アイルランドから司祭のゲレベルヌスとともに海を渡ってゲールに逃げてきたディンプナが、森に小屋(チャペル)を作って隠れ住んだ場面だろう。)

行列の最後を見届けると、開始から1時半くらい経過していた。
今度は場所を少し移動して、街の中心の広場で行列を待ち受ける。
街を一周した行列の終着地点がここなのである。


(行列の終着地点の広場。背後は聖アマンド教会。)


(広場ではこんな店も出ていた。)

行列も終わり、近くのレストランへ。
今はアスパラガスが旬なので、これを使ったメニューがいろいろ出ている。
さっそく、そのひとつを注文。


(アスパラとサーモンの料理、それにゲールの地ビール Zeunt は欠かせない。)

食事を終え、他の3人と別れて、私一人アントワープ経由でブリュッセルへ向かう。
ゲールからアントワープ方面へ向かう途中で青空が見えてきた。


(ゲールからアントワープに向かう途中の列車の車窓から)

ゲールから1時間40分くらいでブリュッセル中央駅に到着。
久しぶりに都会に来た感じ。


(ブリュッセルも雨だったのだろう、あちこちに水溜りがあった。)

さて、ホテルでシャワーでも浴びて、ゆっくりしよう。


(淡い緑色が目にここちよいホテルのバスルームの品々)

| フリートーク | 06:44 | comments(0) | - | pookmark |
ゲール(Geel)のお祭り2015年
2015年は、ベルギーのゲールで5年に1回のお祭りが行われる年である。
2000年のお祭り以来、毎回参加し続けきた。
お祭りのメインは、ゲールの守護聖人である聖ディンプナのオメガング(宗教行列)。
これまで、聖ディンプナの命日とされる5月15日前後にオメガングが行われてきたが、今年はなぜか5月3日に。
日本のゴールデンウィークの真っ只中である。

 
(マーケット広場に掲げられた聖ディンプナ・オメガングのポスター)

ただ、私のゲール訪問は、OPZ を訪れないことには、はじまらない。
OPZ とは、この地域の精神医療を担う「精神医学ケア・センター(Openbaar Psychiatrisch Zorgcentrum)」の略称。
ゲールを世界的に有名にしてきた精神障害者の里親制度の管理・運営を担っているのが、この OPZ である。


(1862年にオープンしたOPZの古い建物だが、1〜2年前に建物をリノベーションしている。)

つい最近、この OPZ のなかに、ゲールの精神障害者の里親制度の歴史と現状などを紹介する、見学者センターがオープンしたという。
建設される過程で、以前もこのブログでこのセンターのことを紹介している。
OPZ (Openbaar Psychiatrisch Zorgcentrum Geel) を訪ねて」の記事を参照していただきたい。

その記事で、「かつての研究室(ラボラトリー)」とあるのが、改装されて以下の見学者センターのひとつ生まれ変わっていた。


(もともとは、かつての院長の Fritz Sano の研究室だったが、その後「廃屋」状態だった。)

このなかに入ってみよう。
1階は受付と、企画展示室になっている。
ちょうど「Dimpna als muze (ミューズとしてのディンプナ)」展の最中である。
OPZに関わる(元)患者が聖ディンプナを描いた作品が展示されている。
ひとつだけ紹介しよう。

下の作品は、アーティストとしては評価が高いという Karel Laenen のものである。
この作品のモティーフは、聖ディンプナが右足で悪魔を押さえつけ剣で突き刺している、という15世紀くらいから使われだした有名なイコノグラフィから来ている。
この「悪魔」つまり「精神病」を退治するイコンは、聖ディンプナと精神病治療との関わりを示すものと理解されている。
下の作品では、旧来のイコンが発する重たさが、カラフルなタッチで軽々と乗り越えらているように見える。


(悪魔を剣で突き刺す聖ディンプナのイコンの別バージョン、ということか。)

建物の2階には、映像設備がある空間と、「yellow ART」の部屋がある。
「yellow ART」とは、いわばゲール(Geel は、オランダ語の形容詞 geel [黄色い]と同じスペル)におけるアール・ブリュットのブランド名である。
「yellow ART」の部屋で作品を自由にみてもらい、展覧会への作品の出展や作品の販売を促進しようという意図があるようだった。


(2階のスペース。黄・青・赤が見学者センター全体のカラー・コンセプトである。)

元「研究室」の建物の向かいには、歴史展示をしている建物がある。
もともとは、農作業で使う器具などを収納していた倉庫である。


(もととは倉庫だったが、歴史展示用に内部は大改装された。)

以前、改修前に訪れたときには、ガラクタ置き場のようになっていたが、建物の骨格を活かした展示スペースに変身していた。
公式のオープンはまだだそうだが、特別に中に入れてもらった。

博物館というと、しばしば物品を過剰に展示する傾向があるが、ここはいたってシンプル。
もっとも、精神医学史となると、古い電気ショックの機器とか、カルテぐらいしか、展示物がないのも事実。
それも、どこの精神医学史の博物館でも普遍的に見られるものが多い。
こうした「余分なもの」がなく、ゲールの精神医学の歴史に特化しているのが、ここの特徴だろう。


(中央にあるモニター画面をタッチすることで、より詳細な情報が得られる。ただし、目下、オランダ語の情報しかないので、急いで英語版を用意しているとか。)


(展示室の窓を覆っているのは、ゲールの患者の写真。1902年にアントワープで開かれた精神科家庭的看護の国際会議にあわせて用意されたものだという。)

他方、ゲール・ブランドのアール・ブリュット yellow ART (下の写真には Yellow Art とあって、ロゴに統一性がないが)の制作現場は、以前の建物から引っ越して、やはり改装して新しくなった別の建物に引っ越した(下の建物)。


(この建物のなかで、「Yellow Art」が作られている。 )

制作現場は、わくわくするものがある。
休日で制作者は誰もいないのだが、やりかけの状態から制作者の息遣いが感じられる。


(水彩のパレット)


(作品かどうかわからないが、紙の上に石が並べられていた。)

というわけで、OPZの見学者センターなどを見たあと、案内役のBさんと街の広場まで行き、レストランに入った。
Bさんとは1年ぶりで、この間の出来事などを話した。


(ヘルシー路線でサラダを注文、それと kriek [サクランボのビール] は欠かせない。)

食事のあと、すぐ近くの空き店舗内に設置された Geel FM のスタジオへ。
お祭りにあわせて3日間限定のFM局だという。
誰でも1曲1ユーロ(だったか)で楽曲をリクエストでき、そのお金はOPZの資金になるとか。
OPZもなかなか商売上手である。


(OPZのスタッフが運営するGeel FM のスタジオ)
| フリートーク | 16:14 | comments(0) | - | pookmark |
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