『精神障害者問題資料集成 戦前編』(編集:岡田靖雄・小峯和茂・橋本 明)の第7巻〜第9巻が刊行された。
これで、資料集成シリーズは完結したことになる。
目次一覧
第7巻
XII 統計
[衛生局年報など]
第8巻
XII 統計
精神病者調査票記入参考
精神病者地方別表
精神病ニ関スル統計
精神病者収容施設調
XIII 議会議事録
[精神病者監護法・議事録]
[精神病院法・議事録]
第9巻
XIV 司法精神医学その他
犯罪と精神異状(司法警察官吏訓練資料)
精神病保護施設に就て(資料第弐拾弐号)
昭和拾五年度 麻薬中毒者救護会年報
XV 植民地の精神病対策
大連に於ける精神病患者統計
昭和九、十年度 年報(台湾総督府養神院)
以上。
出版元の連絡先は;
六花出版
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-42
TEL 03-3293-8787
FAX 03-3293-8788
e-mail rikka.press@gmail.com
自己宣伝を一つ。
つい最近、日本学術振興会の科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の助成を受けて、『精神病者と私宅監置―近代日本精神医療史の基礎的研究』を出した。
ふつうの本屋の店頭で売られているとは思えないので、もしご入用の方があったなら、
六花出版
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-42
Tel: 03-3293-8787
Fax: 03-3293-8788
e-mail: rikka.press@gmail.com
まで。
ところで、この本を勤務先の大学図書館に寄贈しようとした時のこと。
「寄贈ありがとうございます」の言葉もない。
図書館カウンターの人は私にただ紙を渡し、無愛想に「所属と名前を書いてください。受け入れできなかった場合の処理を選んでください」という。
受け入れできなかった場合の処理として、(現物の)「1.返却を希望する」「2.返却を希望しない」のどちらかにマルをするようになっている。
まるで私が図書館にどうしようもない物を押し付けているみたいではないか(実際そうなのかもしれないが・・・)。
ともかく、その事務的な対応に心底失望した。
出版社:六花出版
刊行:2011年12月
定価:4,000円+税
A5版・上製・240ページ
ISBN 978-4-905421-08-5
目次
第一章 私宅監置制度の登場と発展
1 江戸から明治へ
2 瘋癲人に関する規則
3 精神病者監護法下の私宅監置
4 各地の精神病者監護法の施行規則
5 私宅監置室の構造
6 私宅監置制度の普及
第二章 監置患者の実際
―大分県公文書館所蔵『昭和十五年監置精神病者に関する綴』から
1 大分県の精神医療史と『昭和十五年監置精神病者に関する綴』
2 監置患者の統計的観察
3 監置の許可
4 監置患者の死亡
5 監置の廃止
6 患者の逃走
第三章 公費に関わる監置精神病者
1 行旅病人としての精神病者
2 精神病者収容所と公立監置室
第四章 戦前の私宅監置をめぐる評価と解釈
1 「精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察」を読み解く
2 私宅監置と精神病院法
3 私宅監置のナショナリズム
第五章 私宅監置の戦後
1 戦前から戦後へ
2 精神衛生法と私宅監置制度の廃止
3 離島の私宅監置
資料―第二章に関わる行政文書について
以下のような会合を開くことにしました。
去る10月末に愛知県立大学で第15回精神医学史学会を開催したのですが、主催者としてほとんど発表者の話を聞けず、参加者と意見を交換する時間がありませんでした。
そこで近代日本の精神医療史に関心を持っている上記学会の発表者・参加者にもう一度参集してもらい、議論を深めたいというのがこのワークショップが意図するところです。
このブログをご覧になって、興味を持たれた方はご参加ください。
ただし、会場の都合がありますので、参加される場合は事前に橋本(aha@ews.aichi-pu.ac.jp)までお問い合わせください。
「近現代精神医療史ワークショップ」プログラム
2011年12月11日(日)
午前の部
会場:愛知県立大学サテライトキャンパス
(愛知県産業労働センター15F<http://www.winc-aichi.jp/>)
10:00-11:00
近代日本精神病者監護政策論争に関する研究
宇都宮みのり(金城学院大学)
11:00-12:00
近代日本精神医療史資料の保存と利用
橋本 明(愛知県立大学)
(昼食・会場移動)
午後の部
会場:名古屋国際センター5F・第6会議室<http://www.nic-nagoya.or.jp/>
13:30-14:30
傷痍軍人精神障礙者医療がもたらした今日的意義
西川 薫(新潟医療福祉大学)
14:30-15:30
明治末期の精神病院における看護人職業から見る「ケアの歴史」
キム ユミ(コロンビア大学/早稲田大学)
15:30-16:30
精神病者監護法の運用実態と病院監置の拡がり
―川崎市公文書館所蔵文書にみる戦前期の精神病者処遇―
後藤 基行(一橋大学)
*会場はいずれもJR名古屋駅から近い場所です。