近代日本精神医療史研究会

Society for Research on the History of Psychiatry in Modern Japan
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『精神病者私宅監置ノ實況及ビ其統計的觀察』を読もう(その36)
 論文の「第四章 民間療方ノ実況」の第三節は、「精神病ノ民間薬並ニ迷信薬」にあてられている。
 それによると、樫田五郎は大正3(1914)年に富山県下の私宅監置の状況を視察した時に、売薬で有名な富山市で精神病またはいわゆる脳病に効き目があるといわれる売薬についても調査したという。


<樫田五郎(1883-1938) 昭和初年、東京・目白の自宅で>

 その種類は次のようなものだった。

  ̄酘(さるがしら)
 狐舌の黒焼
 鹿の胎児の黒焼
 ざ無躄(ぎょくごおう)
 ダ芎(せんきゅう)
 ιの根

 ,蓮猿の頭蓋骨を黒焼にしたもので、頭蓋骨の原型を残しているものは1個3、4円だが、多くは粉末にしたものを「1匁(もんめ)いくら」で売っている。
 △慮兩紊旅焼も粉末である。
 は、「血の道」に効き目があると言われる。
 い蓮∀卦蹐涼誓个任△蝓▲ーストリア産のものが最上級とされる。(注:ここで「オーストリア産」とあるのは、「オーストラリア産」の誤りと思われる。というのは、1918年のこの呉・樫田論文では「墺地利産」と書かれているものの、これに先立って1914年10月12日に樫田が精神病科談話会例会で「富山県下に於ける精神病状況視察報告」という演題で報告したところによれば、玉牛黄について「アウトラリエン産のもの最宜しと云ふ」と説明しているからである。ネットで検索すれば、今日でも牛黄は豪州産が多いようである)。五疳、驚風、中風に効くとされる。結石を削り、粉末にして販売する。
 上記の,らい泙任蓮△湯に入れて服用する。
 Δ良の根は、売薬ではないが、これを「だいこんおろし」にして服用すれば、治疳または袪痰の薬になるという。
 イ寮芎は、和漢薬のなかでもっとも人口に膾炙しているもので、昔から脳病、痢病、婦人病に効き目があるとされてきたようで、この植物の根を乾燥させたものが、売られている。
 以上が、「精神病ノ民間薬並ニ迷信薬」の記述の前半部である。
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